門脇篤「りくとうナイン・ストーリーズ」

宮城県小牛田から山形県新庄までを結ぶ、JR陸羽東線。通称「湯けむりライン」と呼ばれ、鳴子方面への交通路として親しまれてきました。
このローカル線を大崎エリアを結ぶ動脈と位置づけ、沿線でアートな企画を繰り広げようというのが昨年からはじまった「りくとうアートライン」です(陸羽東線を略して「りくとう」)。

陸羽東線を走るのは、キハ110系と呼ばれる写真のようなたいへんシャープなデザインの電車です。
私は鉄道マニアの少年からJRの電車のカタログを見せられたことがあるのですが、ローカル線ではピカ1で趣味がいいと思います。

「りくとうアートライン」では、いくつかの企画がすでに進行していますが、そのひとつ、いくつかの無人駅に「ローカル線ノート」を設置し、利用客に書き込みをしてもらい、そこからヒントを得てアート作品をつくる企画に、昨日、JRから許可がおり、今日は朝からJR陸羽東線の9つの無人駅に「ローカル線ノート」を設置してきました。
題して「りくとうナイン・ストーリーズ」。
昨年も似たような企画(こちら)で、岩出山から中山平温泉駅にいたる8駅に大きな紙をはりつけ、そこに好きなことを書き込みしてもらいましたが、こたえが単語形式だったため、今年は文章形式にしてもらおうとノートを設置することにしました。

ヒントになったのは、東鳴子の玄関口・鳴子御殿湯に置かれた「旅のノート」。かなり多くの人が書き込んでおり、今では「らくがきノート」や、常設展示されている大野晋司さんの猫の苦消し展「感想ノート」など、何種類かのノートが設置されています。

ということで、「りくとうナイン・ストーリーズ」は、古川駅の隣・塚目駅から中山平温泉駅に至る12の駅の中の、岩出山、鳴子御殿湯、鳴子温泉の3駅をのぞいた9つの無人駅でストーリーの採取をはじめました。
来月末までこれを行い、9月に作品制作、10月以降に展示、という予定です。

しかし、ノートを設置するためにこの広いエリアを車でまわりましたが、本当に景色のいいところで、実にいやされます。

(コメント:門脇篤