子どもの夏休み 五味太郎(絵本作家)

自分で生活組み立てる応援を より

ぼくの両親はぼくが学校より野球を優先させても
怒りませんでした
そんなことはとんでもない
そう思うのは子どもは導くものだと
考えているからではないでしょうか
導くなんて考えない方がいいのです

疑問があったら何でも答えましょうという態度も
やめたいものです
世の中わからないことの方が多い
わかったふりはせず子どもと「わからない」を
共有する方がすてきだな

子どもの仕事は見ることです
大人をじっと見ています
その人が人生を自分のものにしているかどうか
自然に見分けようとしています
その人がその人らしいかなあって
だから彼らに何かしてやろうと思う前に
大人は自分を整えることが先だと思います

今の教育システムは子どもたちをできるだけ早く
社会に適応させようとしています
その社会が刻々と変化しているのも気がつかずに
そうではなく自分とは何かをゆっくり探しながら
社会とらえる基礎的な力を培ってもらうことができないものでしょうか

これからは個人の時代だと思います
母の日にはカーネーション
海の日には海水浴
そういうカレンダーどおりにやることから
どれだけ脱皮できるか
そこから個人の実力が試されていく気がします

自分の人生を自分で組み立て
自分なりのペースで暮らしていく
そういう人たちが増えていけば社会にはきっと
豊かなものが組みあがると思います

<ヒャクニチソウがきれいです>