GOTEN GOTEN 2008 アート湯治祭、グランド・オープン!⑤

浜田真輔/ちっく+曽根健一朗ユニットによる「お茶んぽDEおもてなし」は、一畳の畳を使ったおもてなし空間。
当初は携帯茶室という企画だったのですが、予算などの関係からコンセプトをのこしたままこうした形態になったようです。

私・門脇は勘七湯別館の使われていないお風呂を使ったインスタレーションをつくりました。
湯舟に舟を浮かべる、というもので、「舟(ふね)」は水に浮かぶ舟のほか、湯舟のように、水に対して外と内とをへだてる境界線を指している言葉であることから、「私」という存在に重ね合わせて考えてみました。すなわち、「私」という「主体=内」は、近代主義的には確たるものとして想定されましたが、実際には「私」はその「外」を前提せずには存在しえないものであり、水が舟の外にあろうと内にあろうと同じ「舟」という概念としてとらえられていくように、「私」も内/外のような二元論を超えてとられていくべきだ、という思いをモチーフに制作しました。

舟の下にある湯舟にはじゅうたんが敷かれ、お風呂に入るようにゆったりと湯舟の中で過ごせるようになっています。

勘七ギャラリー階段には、むろむろさんによる「切り抜き川柳」が展示されています。
雑誌や新聞の文字を切り抜き、川柳が詠まれています。

また、階段の両端には、「ごてんゆじゅく」の生徒たちがつくったうちわ作品が展示されています。うちわはつくった生徒に返却されることになっているので、もしかしたらもうなくなっているかもしれません。
「ごてんゆじゅく」は、私・門脇が7月30日から8月1日まで、3日間にわたって、地域の子供を対象に開いたもので、学校の宿題などを中心に、わからないところなどを教える寺子屋スタイルの塾です。
日がたつにつれ、だんだんと仲良くなり、うちわづくりワークショップやアイロンビーズワークショップも行われ、最終日はこどもたちと花火大会を行いました。
階段には花火大会でロケット花火を打ち上げるのに使った瓶も展示されています。

(つづく)