さっそく私の展示場所である勘七湯別館の今は使われていないお風呂へ。すでに勘七湯さんスタッフの手でクリーニングが済んでいるという手際のよさ。ありがとうございます。
ものすごく昔から勤めていた、という生き字引みたいな方が現れ、延長コードやら何やらと便宜をはかってくださいます。
その通称「カンちゃん」さん、「俺もいろいろやったんだよ」と、別館内のあちこちにある「作品」を次々に見せてくれました。
写真はアルマジロやコブラなどの剥製。かつては気仙沼や石巻などの遠洋漁業の漁師さんらがとにかく大量に湯治に来ていたそうで、彼らが南米などへ行ったおりに持ち帰った動物たちを剥製にしたんだとか。
このほか、木彫作品なども次々に出てきて、これまでもいろいろ東鳴子の「まちのアーティスト」に会ってきましたが、またひとりといった感じです。こうした人たちだけで「アート湯治祭」が1回分くらいできるんじゃないかと思います。
隣町の岩出山のホームセンターで買ったビニールハウスの骨組みを使って「舟」のかたちをつくり、つるします。
するともう夕方4時が近づいてきました。そう、「ごてんゆじゅく」の時間です。
「ごてんゆじゅく」は、私が仙台で癒し系の学習塾を開いており、東鳴子のこどもたちと何かコミュニケーションができないか、と考え、7月30日〜8月1日の3日間だけ行う寺子屋塾で、勘七湯さんのご厚意で、3日とも、大広間を使わせていただけることになりました。
この日集まったのは小学生2人と中学生4人の合計6人。それぞれが学校の宿題や通信教育のドリルなどをもちより、みんなで2時間勉強しました。
美術の宿題でポスターを描く子の横では、「英語を基礎から教えてください」とお母さんから電話でお願いされた子がbe動詞の勉強。なんともいい風景です。窓からはひぐらしの鳴き声が聞こえ、実にリゾート。
「今日は勉強だけしかやんなかったけど、明日はちょっとアートもやる?」と聞くと、みんな少し期待した表情。
6時過ぎ、「またねー」と帰って行きました。
(門脇篤)