同潤会善福寺分譲住宅から玉の湯へ

テジの前回のレポートは、西荻窪の天徳湯から同潤会普通住宅を訪ねたところまででしたが、今回は西荻窪の続きです。

同潤会住宅には、関東大震災の復興住宅である普通住宅と、表参道などで有名になったアパート以外に、郊外の勤め人向け、市街地内の職工向けなどの戸建て分譲住宅もありました。赤羽、小松川、川崎などでは普通住宅と同じ地域で分譲住宅の事業も行われましたが、西荻窪にも、普通住宅のほかに、あまり知られていませんが善福寺分譲住宅があります。

200戸をこえる西荻窪普通住宅に対して、分譲住宅は30戸あまりと小規模ですが、やはり緑豊かな落ち着いた住宅地を形成しています。数少なくなった同潤会戸建住宅の原形をとどめた住宅も何戸か残っているのも貴重です。

同潤会善福寺分譲住宅から西荻窪駅への帰り道は途中から商店街となり、駅の近くで西へ入ったところに、玉の湯があります。

暖簾がかかっていなければ名刹かと思うような立派な和風建築で、破風の鶴の彫刻はじめ品のいい装飾が散りばめられています。内部も脱衣場の格天井など銭湯建築の典型として一見の価値ありです。

しかも西荻窪の商店街に近いこともあり、営業開始とともに自転車や徒歩で続々と集まってくるお客さん。銭湯ではどちらかというとお年寄りの姿を見かけることが多いのに対し、玉の湯はバラエティに富んで、活気にあふれていました。

玉の湯 杉並区西荻北3-32-3 西荻窪駅から徒歩3分 木曜休み 15:30から