櫻ヶ岡中学校の中平です。本校の美術教育の中心には、鑑賞と制作の両方があります。この両輪が機能してこそ、例えばさくらびアートプロジェクトのような活動はできないと考えています。
制作は、最後に題名をつけて完成ということにしています。題名がつかない作品は未完成ということです。題名をどうやってつけるのか。実は学校での美術教育であまり重視されていないのが「題名のつけ方」という授業なのです。
2学年の必修授業「モンドリアンでマドリアン」は、作品が完成すると、すぐ題名はつけません。多様な題名のつけ方を学ぶいいチャンスだからです。まず、シュルレアリスムの絵画7枚を鑑賞し、8つある「題名候補」から適していると感じる題名をつけます。8つのうち7つは本物ですが、1つは中平が作ったでたらめです。シュルレアリスムの絵画作品は、例えばマグリットに代表されるように、一見絵画の内容と題名が無関係に感じる作品が多いです。しかし、その題名であるがゆえに、見るもののイマジネーションを刺激するのです。
この鑑賞クイズの後、作品に自分で題名をつけます。「雨上がり」「夏の終わり」など多様な題名が続々とつけられていきます。題名も作品の一部です。