櫻ヶ岡中学校の中平です。ルネサンス2008という大題材を4月から続けています。Nスパイラルという3年間の題材構成で授業を行っていますが、このモナリザでマネリザは、人物表現の特に「見たままを描く」という技能を修得するための「スキル学習題材」です。
授業のはじめに「人物画得意な人」と聞くと、誰も手を上げません。人物画は苦手という生徒がほとんどだからです。そこへ、透明下敷きとホワイトボードマーカーを与え、「人物トレース」の方法を教えます。片目を閉じ、顔を動かさず、見えたままペンを動かします。そうすると、多少パーツはずれますが、かなりそっくりに描くことができます。
この技法は単なるトレースだから、描写力はつかないと言う人もいるかもしれません。でも、見たまま描く(感じたままではない)って、こういうことでしょう?と生徒に伝えることはできますし、何より、「自分でも結構うまく描けた」と感じる生徒は多いのです。しかも、一点透視画法(近いところが大きく、遠いところが小さく描ける)を経験することができます。遠近感は、数十センチの違いでも、こんなに差が出るということがわかるのです。
なお、この下敷きと同じ原理でルネサンス時代の画家はスケッチをしていたということも重ねて話をすることが可能です。