《高学年クラス》
大きな銀河の渦から始まった4月の造形は、海での生命の誕生、柔らかい海藻からすっくと立ち上がり、巨大化していく針葉樹の世界へと向かい、それとともに生きた恐竜たちの話をしました。その後、針葉樹の世界から被子植物、つまり色とりどりの花をつけ、果実を実らせる広葉樹の世界へと移り変わる様を、鳥類、哺乳類の進化の話を交えて進めてまいりました。この世界の壮大な流れは、言葉を発しない自然界が私たち人間に語りかける未来への素晴らしいメッセージであり、それをぜひとも子供たちに伝えたいという思いがあり、このテーマをとりあげています。
9月の造形では、その流れの中で動物たちに起きた革命、卵を温め、子供を育て始める動物たちについてお話ししました。母親のぬくもりが卵を包み、不思議な渦の流れとともに形成されていく新たな生命をにじみ絵で描いてみました。見たこともないそんな世界を描くのは、子供たちにはすこし難しかったと思いますが、こんなかんじかなあ、と思いながら制作していました。この小さなミクロの世界の生命の渦が、4月に制作したあの壮大な銀河の渦とともに、子供たちの中で共鳴してくれればと願っています。
細井 信宏