櫻ヶ岡中学校の中平です。グラデーションマジックという単元が終了し、3学年は2時間題材の「誰でもピカソ」を行いました。いつもの年は、すぐ卒業制作に入りますが、今年はこのピカソについての授業を入れました。
「画家というと誰を思い出す?」と生徒に聞くと、「ピカソ」とまず答えます。それほど有名なピカソですが、「どんな絵を描いていた人?」と聞くと、「変な絵」「ぐちゃぐちゃな絵」という答えが返ってきます。「君の絵はピカソみたいだね」と言われて嬉しい生徒は独りもいません。
この「誰でもピカソ」という授業は、そのイメージが少し変わるかもしれません。まずは、ピカソが88歳まで書いた12点の絵をランダムに並べ、13歳から順番に並べるクイズを行います。正解を知ると、生徒は一様に驚きます。「中学生の時にすごい絵を描いたんだなあ」。でも、この授業は、ここで終わりではありません。
二時間目、ピカソは4次元の絵を描いたんだよ!「えー?」というところから始めます。四次元つまり平面の絵に「時間」の要素を入れたのが、いわゆるキュービズムの絵なのです。
実際に透明下敷きとホワイトボードペンで体験してみます。まずは3次元の世界である、「モナリザ」のような絵を友達とペアになって描いてみます。動きのない、写真の世界です。
写真のような作品ができます。
続いて、下敷きとペンを持ち、動きながら、移動しながら部分を描いていきます。書くまでの5分間のモデルの動きが表現されています。
キュビスム的絵画表現を行った後の、生徒の反応は様々です。「とても楽しかった。リラックスして描くことができた。」「こういう描き方をされてもモデルとしてはうれしくない」などです。
ピカソは、好きな女性をキュビスムで描きました。きっと動いている姿を書きたかったんじゃないかなあ、とまっている3次元の絵では足りなかったんじゃないかな、と私は自分の考えを話しました。「ああ、それは今のアニメーションや映像につながっている?」と気づく生徒もいました。すごい発見です。
ピカソの作品は好き嫌いがあります。それでいいのです。でも、少しピカソの表現に理由やきっかけがあったということは感じてもらえたかなあと思います。