インタビューwith木村理事長②

「私はね、でも店は増えなくてもいいと思ってるんですよ」と木村理事長は言います。
「以前はね、店に住むなってことで、みんな郊外に住むようにすすめた時期があるんです。あれがよくなかった」
木村理事長が思うまちの将来像は、みんなが中心市街に住んで、それによって自然と需要に応じたお店が営まれ、「毎日が楽しい」と思うような場所だと言います。それは宮城県北部の一大商業都市として、広域型商圏をかたちづくる古川を、近隣型商圏もしくは地域型商圏へと編みなおしていくこと、少なくとも中心市街地をそうした方向性で立て直すことによって、郊外部の大型店との差別化や住み分けを行い、それによって顔の見えるつきあいを取り戻そう、ということのように思われます。

木村理事長の夢は、四季彩通りに「黄色いカレーライス畑をつくること」だと言います。
じゃがいも、にんじん、たまねぎ…商店街にそれらを育てる畑をつくる。
疲れやゴミ、むなしさだけが残る単発のイベントはやらない。
補助金ももらわない。
資金づくりの仕組みをつくってやっていけるようにしたい。

黄色いポストは本当にたくさんの人との交流を生んでいるといいます。
全国から手紙が届き、そのつながりで四季彩通りのおかみさん会が研修へ出かけていく。これが本当に楽しい。何かを求めてくる人が、幸福感を味わえるまちにしたい。

こうした四季彩通りのエネルギーを、古川にあるほかの商店街にも伝えていく、横のつながりが「全国笹舟大会」ではないかと思います。
今年で3度目となった「笹舟大会」は、木村理事長が他の商店街振興組合の役員との研修会に参加したおり、県の補助金が出るというので、子供の頃の緒絶川の思い出をモチーフに考え出したものです。古川の夏まつりの前夜祭的意味合いから、8月2日に行われています。今年も多くの参加者でにぎわったとか。

「幸福の黄色いポスト」「はっぴぃ」と、交流の場ができあがってきた四季彩通り商店街。人の通りも確実に増えているという。あとはぜひこのまちに住んでもらいたいと木村理事長は言います。
住むことを楽しめるまち。その楽しみ方が草の根的な住民参加であり、まちを舞台とした自己表現である四季彩通りの実態を考えると、それは本当に理想なことだと思います。あとはもっともっと、やる気やアイデアをもった人、特に若い方が入ってくることが望まれるところですね。