研修報告「少年犯罪とインターネット」

白梅学園大学公開講座
子どもの育ちと大人の思いがずれるとき
〜発達臨床心理学への招待〜
「少年非行とインターネット」
講師 石橋昭良氏(文教大学講師)

携帯保有時期の早期化が進んでおり、
今では中1の8割が小学校から携帯を持っている。
問題は、ほとんどの携帯がネットに接続できることである。
(諸外国ではネット接続可能な携帯は1割未満しか普及していない)
その結果、子どもが有害情報と接触する機会が多くなっている。

中でもトラブルの多いサイトは
①出会い系サイト 
平成15年の規制法施行後も被害件数は横ばい。
95%が携帯からアクセス。
試しに投稿してみると1時間で31件の返信があったという。
②ゲームサイトのコミュニティ
中学女子の3人に1人が利用し、多くの子と知り合えることが魅力だが、
悪意を持った利用者も存在し、売春の被害に遭うケースも。
③プロフ
中学女子の2〜3割が利用し、
そのうち3割がプロフを通じて新しい異性ができたという。
顔写真、水着の写真を自己紹介欄に貼り付ける子もいる。
④コミュニティサイト
チャットで成人男性と出会う事件が起きている。

また、子どもが被害者となるケースばかりではなく
学校裏サイト等でのいじめ、犯行予告、著作権法違反など
加害者となるケースも目立っている。

求められる取り組みとして次のものがあると石橋氏は話す。
①大人がネットの危険性や問題点を学び、ルールをつくること。
トラブルの多いサイトを自ら閲覧して問題を知ることも必要。
②情報リテラシー、危機回避教育の実践
ネットは文字情報が主体で社会的手がかりが伝わりにくいので、
対面上のスキルを上げることも重要。
③フィルタリング
ただし、本来必要なデータが見られなくなってしまうこともあり
利便性を損なう場合も。

携帯電話がこれだけ普及した以上、
携帯保持を一律禁止するような対策はナンセンスだし、
携帯もネットも使い方によってはプラスになることも多い。
危機回避のための情報を子どもたちに伝えることが重要だが、
「ああしてはダメ」という一方的なメッセージばかりでは
子どもたちにうまく伝わらないだろう。
子どもひろばでは現在、この問題に取り組んでいるが、
どうしたら子どもの心に届くプログラムを開発できるのか、
考えていきたい。
(ボランティアY)

<イワシャジンの花は繊細な感じがします>