11/4 『「在日」の新しいかたちとアクション』

◯多文化学校第2期講座『わたしたちの社会のかたちを問う』(全6回)

わたしたちが日々の暮しのなかで、折にふれて感じる、いまの世の中の息苦しさ
や違和感や疑問。そんな社会の現在を変えていこうとする活動は日本列島のいた
るところで見られます。それは、個人的な行動であったり、集団的な運動であっ
たり、活動スタイルはさまざまですが、共通しているのは、自分の生きかたと社
会の関係を真摯に凝視め、問いかける——内発的で想像力あふれるアクションで
す。多文化学校第2期講座は、地域社会のうごきや、日常生活のなかの身近で等
身大の問題から、「わたしたちの社会のかたちを問う」てみたいと思います。
ご参加ください。

■第1回『「在日」の新しいかたちとアクション』
日時=11月4日(火)19時〜21時30分(18時30分開場)
会場=(東京都新宿区)大久保地域センター3階和室

「在日」ということばで、まっさきにうかぶのは日本在住の韓国・朝鮮の人たち
ですが、いうまでもなく、在日する外国籍の人たちは韓国・朝鮮人だけではあり
ません。本講座では、在日日系ブラジル人3世と在日コリアン3世が制作したビデ
オ作品を上映し、作者らとのトークを通して、若者たちの新しい「在日」のかた
ちを考察します。特別ゲストに、神戸で「多様な文化的背景を持つこどもたちの
表現活動」に取り組む吉富志津代さんを迎えます。 

ビデオ作品上映=
ルアナ・ユミ・アキズキ・マツバラ『日系ブラジル人の私を生きる』
ルマ・ユリ・アキズキ・マツバラ『レモン』『ヒョジョンへ』
チョ・スナ『「在日」でいることの意味』

トーク=
ルアナ・ユミ・アキズキ・マツバラさん
ルマ・ユリ・アキズキ・マツバラさん
吉富志津代さん(ワールドキッズコミュニティ代表)

司会=青池憲司(映画監督)

参加費=1000円
主催=多文化学校運営委員会
お問い合わせ=多文化学校事務局
東京都新宿区大久保2-10-2-1F
TEL 03-3205-7871 FAX 03-3205-7889 
E-mail:tabunka2007@yahoo.co.jp

◯多文化学校ブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/tabunka20xx/folder/756533.html

【上映作品紹介】
『日系ブラジル人の私を生きる』
「わたしは見た目、日本人の顔をした、ふつうの女子高生です」。作者のユミさ
んは日系ブラジル人3世。3歳のときに父母とともに来日した。日本で教育を受け、
いまは社会人である。いわゆるニューカマーとしての生活をどのように生きるの
か。彼女は、その問題を、家族やおなじ背景をもつ友だちへのインタヴューを通
して考えていく。「これからも映像を使って身近にいる友だちに私たちの思いを
伝えたい。そして、いつかは私の映像が世界を変える力になればいいと思いま
す」。

『レモン』(第28回「東京ビデオフェスティバル」優秀作品賞/ピープル賞)
作者のルマさんは、日系ブラジル人3世で、生まれたばかりのころ両親姉妹と日
本へやってきて、ブラジルのことはことばも文化もなにも知らない。だから、家
族のなかでちょっとういている気がする。彼女は、友だちやまわりの人たちに、
「わたしは何人?」と質問してまわる。カメラをツールにしたルーツ探しである。
自分自身をみつめる作業の途中で、彼女は「国籍なんてわたしたちにとってなん
の問題でもないかもしれません」と考えるようになる。

『ヒョジョンへ』(「武蔵大学白雉市民映像祭」最優秀作品賞)
高校の交流事業で韓国の姉妹校に行った作者が、ホームステイ先の同じ高校生の
ヒョジョンと仲よくなったものの、滞在中に自分が日系ブラジル人ということを
伝えられず、日本に戻ってからそれをビデオレターで伝えようとする。

『「在日」でいることの意味』
作者のチョ・スナさんは、在日コリアン3世。彼女は、小学2年生まで通名(日本
名)でいたが、それ以後、本名を名乗る。中学時代は「在日」を目立たないよう
にしていた。高校生になって「在日」である自分と向き合いはじめた。大学生に
なり、韓国へ行けば、在日と知りながら通名で日本人と紹介されたりする。韓国
人からみれば日本人、日本人からみれば韓国人、自分自身も在日コリアンである
ことを無意識のうちに忘れがちになる。「歴史の存在証明であるわたしたち在日
が消えていくことで、本当の意味で歴史が消えていくように思います」。彼女は
「いまある在日の問題から目をそらさない」と語る。