使用燃料の大転換!!!其の弐/神田温泉

昔は銭湯の燃料と言えば、廃材が主流でした。
子供の頃、学校の休みに父親と一緒に廃材を集めにトラックに乗って出かけていましたが、
第一次石油ショックの頃父親が廃材から油に切り替えました。
父の偉かったのは、商品の油を買わなかったことです。
エンジンオイルの抜きオイルや、旋盤工場の使用済みオイルを回収、濾過して燃料にしました。出す方も、廃棄費用がかかるので持って帰ってもらえるなら大助かり。一番多いときで、100軒近くありました。飛び込みで、引取先を見つけたんですから頭が下がります。

私が、引き継いだ当時も夏場は余って困ったほどです。状況が変わったのは、平成に年号が変わってから。
特に、阪神淡路大地震の前後くらいからです。回収先の整備工場や機械工場は零細企業が多く、不況と経営者の高齢化、大型店の進出で次々と廃業していきました。
油が高騰した昨今、油の再生業者がタンクローリーで乗り付け、高値で回収していきます。以前なら、ドラム缶1本回収しても採算が合わなかったのですが。
そのため、最近では夏場も油が余らなくなりました。ここ2〜3年は、余るどころか購入しなければならなくなったほどです。

私の弟も銭湯を経営しており、そこの燃料も私が面倒見ていたので、早急に対策を立てる必要に迫られていました。
油の回収の傍ら、目に付いたバイク屋さんや整備工場に飛び込みで名刺を渡しましたが、親父のようにはなかなか新規開拓は、上手く行きません。

そこで、燃料の転換を図ることにしました。
なかなか、決心が付かなかったのですが、暖かい今が切替のチャンス。寒くなって、燃料の消費量が増えだしてからでは、遅くなります。

タイムリミットは9月。

 続く