銭湯サポーター’S神田温泉清掃イベント体験記

今回の銭湯清掃はオーナーの日々の労をねぎらう事と、銭湯経営の現状を理解することを目的に実施。入浴者には見えないオーナーの忍耐力と努力によって経営が成り立っていることを実感、常に入浴者の目線に立って銭湯経営に携わる五島社長の強い思いを感じた半日でした。

11月22日(土)深夜、誰も経験したことのない銭湯清掃に期待と不安を抱きながら妖しげな面々が内田事務所に三々五々集合、銭湯サポーター’Sコアスタッフ4人と今回初参加のサポーター1名、陰で何かとサポーター’Sを支えてくれる「ふしみの芽」メンバー3名、合計8名で尼崎の神田温泉さんにお邪魔しました。
到着したのは1時営業時間中なのでロビーには脱衣場からのにぎやかな話し声が聞こえてきます。神田温泉さんの営業時間は朝6時から翌日の深夜2時まで20時間営業のコンビニ銭湯です。毎日、2時から5時までの3時間で清掃やメンテナンス業務に日々追われている五島社長です。年2回の定休日がありますがこの2日間は、定期点検で日ごろ点検できない釜の中や老朽・損傷部分の補修作業で通常の営業日よりも忙しいとか。365日休む暇なく働いておられるおかげで神田温泉のお客様は快適な入浴空間が得られるのです。

働く前にふだんは見られないボイラー室の見学です。最近、燃料代の高騰でオイルからブリケット(おが屑を固めたもの)に変更した焚き釜、ろ過装置、圧巻は戦前から利用されている排出湯の熱エネルギーで上水道の水の温度を上げる画期的な装置(鶴亀?)。省エネルギー対策で環境にもやさしく少しの無駄も出さない経営努力の現場を拝見させていただきました。
(筆者は昔、「おかみさん時間ですよ」のワンシーンでボイラー室から浴室が覗ける「覗き穴」があったように思い、窓らしきものを探しましたが結局ありませんでした。現在、温度管理は全て機械装置で制御されているみたいです)。一通りボイラー室の説明を受け、いよいよ、清掃ミーティングです。
参加者全員真剣な面持ちで五島社長の説明に聞きいります。ロビーと脱衣場の清掃手順と注意点について厳しい指導を受けます。ドライヤー、脱衣ロッカー、マッサージチェア、蛍光灯まで隈なく掃除します。特に床の掃除は四つん這いになって髪の毛一本見逃さないよう徹底適に掃除するようにと指示され、全員気合が入りました。

浴室は、専門従業員の方がいらっしゃいます。私達は親方と呼ばせていただきました。露天風呂は天然石のため滑りやすいので丁寧にワイヤーブラシで研磨。ぬめりを取り安全対策に気を使っています。

浴室は鏡とタイル別々の洗剤で石鹸カスや湯垢、水道に含まれるミネラル成分などを丁寧に磨き上げていきます。時々親方にチェックしていただきながら、男風呂と女風呂清掃しましたが、女風呂の方が明るく広く感じたのは私の憧れのせいでしょうか。露天風呂は女湯の方が広く本当の温泉施設みたいでした。

1時間もすると全身汗だらけです。掃除の後の入浴と風呂上りのビール(運転手は牛乳です)が楽しみです。人数が多かったので2時間半で清掃終了。五島社長にチェックを入れていただき特に指摘事項もなく合格。(多少贔屓目に見てくれたのかも)お客さんには申し訳ないけど、親方に続き一番風呂しばし独占です。しっかりと汗を掻いて作業したので大変気持ちよく入浴できました。露天風呂は本気レモン風呂で入浴剤とは違い、なんとも言えない爽やかな雰囲気に浸ることができました。不定期ですが、時々、今回のようにレモン、グレープフルーツ、りんごなど変り風呂が楽しめます。時々ブログをチェックしてください。
入浴後は、五島社長から関西の銭湯マーケットの現状、今抱えている悩み問題点などを熱く語っていただきました。銭湯を維持していくためにはとにかく一人でも多くの方に入浴してもらうのが一番です。
銭湯好きな皆さん、お友達や家族を誘ってぜひ近所の銭湯に通ってください。ご協力お願いします。
五島社長、あつかましく掃除をさせていただき帰りにはお土産までいただき有難うございました。
また、ほかの銭湯でも今回のような清掃、お風呂屋さんの役に立つイベントを企画したいと思っています。

追伸:第二寿湯の沢井社長、手作りアイスクリームの差し入れ有難うございました。
 さっぱりして風呂上りに最高でした。次回、第二寿湯さんの掃除にお伺いしましょうか。

お風呂屋さんのオーナーの方で是非家も掃除をしてくれ、というご希望がございましたら申し出てください。銭湯サポーター’S喜んで参上します。