明神湯 紅葉通りと同潤会雪谷分譲住宅

銭湯とまちレポート、前回は銀杏がテーマでしたので、今回は楓にしました。

東急池上線の雪谷大塚駅のすぐそばに珍しい楓並木の住宅地があります。耕地整理の正方形に近い街区が広がる中に、南北に長く区画された街区があり、3列、約30戸の住宅の前に、楓の木が植えられています。かなり古い木で、数も大分減ったということですが、晩秋には紅く色づいてちょっといい雰囲気です。

ここは紅葉(もみじ)通りと呼ばれています。なぜ楓の街路樹なのかよく分かりませんが、どうしても赤羽(西が丘)同潤会の桜並木を連想してしまいます。そしてささら子下見板張りの木造住宅も残っており、ここが同潤会雪谷分譲住宅だったようです。

紅葉通りを抜けたところを曲がって呑川沿いに行くと、雪谷中学の近く、住宅街の中に明神湯があります。石川台駅、御嶽山駅の方が近いかもしれません(円弧を描いて走る池上線の中心点近くにあるので・・・)。

明神湯は外観も内部もまさに古き良き時代の銭湯です。立派な破風の和風建築、西荻窪の玉の湯とよく似ていますが、明神湯のほうがあまり手を加えず原形に近い印象です。

内部に入るとさらにその感は深まります。番台まわり、脱衣場の木の床や仕切りの鏡、中庭と縁側、あまり装飾はないものの、美章園温泉と再会したような気分です。ちっと色あせた「入浴者心得」、浴室内の宣伝には、「国電○○駅」!壁の絵は定番の富士山・西伊豆からです。ぜひ昭和の銭湯の情景を味わいに出かけましょう。

明神湯 大田区南雪谷5−14−7 16:00〜23:30 定休日 5、15、25日(祝日は翌日休) 東急池上線御嶽山駅徒歩10分(石川台駅、雪が谷大塚駅も)