対談「生きる手法〜格差と貧困を超えるために」姜尚中・雨宮処凛①

(非正規労働者の結束)
雨宮 
25歳まで私もフリーターでした。
2年ほど前、フリーターがホームレス化し始めたと聞き、
初めてフリーター系メーデーに参加した。
そこで、それまで取材していた自殺の問題も、
個人の問題だけでなく新自由主義的な価値観が
無関係ではないと気付いた。
デモの若者200人が「家賃が払えない」
「働いても働いても月収12万。結婚もできない」と叫んだら、
3人逮捕された。貧乏人が「生きさせろ」と言って逮捕される。
何かがおかしいと感じ、フリーター全般労働組合の賛助会員になって
運動を始めました。

姜 
居場所と言う言葉は印象的です。居場所がないのが一番つらいから。
僕は大学時代、同じ境遇(在日)の人たちと学生運動をやり始めて、
初めて自分の居場所が見つかった。
キーワードは居場所ときずな。
それがないと自暴自棄、暴発に追い込まれる可能性がある。
自殺もそう。自殺した7割の人は直前までいろんな形で相談し、
頑張って生きようとしているという調査結果もあります。
雨宮
秋葉原の無差別殺傷事件も暴発ですね。

雨宮
非正規労働者数人で始めた組合が全国ですごく増えています。
二人いれば労働組合をつくれるという情報が広まり、
自分たちにこそ労組が必要だと分かってきた。
ニートや引きこもりは(人間らしく働ける場がないという)労働問題だと。
精神科で治らなかった心の病が、
労働運動を始めたら一気によくなった人もいる。
社会が悪いのだと気づき、元気になるんです。

・・・あけましておめでとうございます。
今年も子どもひろばとCEP不登校親子サポートセンターブログを
よろしくお願いいたします。

<寒椿がきれいです>