対談「生きる手法〜格差と貧困を超えるために」姜尚中・雨宮処凛②

(ネットワーク)
雨宮
政治的につくられた不安定や貧困から、
個人の努力ではい上がるのは難しい。
なぜ政治が変わらないか疑問です。


日本は助け合いが本当に他人事になっている。

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雨宮
例えば韓国でも日本と同じ状況があり、非正規雇用率は日本より高い。
世界中で同じ現象があると知らせることは、日本の無理解な人が唱える
「自己責任論」を払拭する一つの突破口かなと。
今も私のところに「人に迷惑をかけたくないから死にます」というメールが来ます。
小さいころから学校や親に「迷惑をかけるな」と言われてきたし、
明日の生活費もないので死にますと。
それは違う、迷惑はかけ合っていいと言っていかなきゃいけないと思います。


特に日本の場合は「人に迷惑をかけない」という徳が足かせになっている。
権利を主張することは相成らん、死ぬなら1人で死ねというような。

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雨宮
親が非正規雇用の子どもを「うちの息子はなぜダメなんだ」と
罵倒しまくっているケースも多いです。
「なぜ日本は大切な息子をこんなふうに使い捨てるんだ」と
一緒になって社会に怒ってくれればいいのに、
子どもに怒りが向いている。
ちょっとした理解で救われる人は多いと思う。

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雨宮
言う事を聞かない、というのが一つのスローガンです。
会社に入っても言うことを聞いていたら過労死してしまうし。


簡単に従順になるなと。いい意味であまのじゃくでいいということですね。

雨宮
職場での正規、非正規のような分断は、会社に始ったことではありません。
子どものころから競争ベースの人間関係しかなくて、
1人でも多く人を蹴落とすように教えられてきた。
それに疲れた人がそういう所から開放される場を、
運動を通じてつくったという感じはします。

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ソウルに行くと、地下鉄に物売りがくる。
ニューヨークだと「おれがホームレスになったのはこういう理由だ」と
演説をぶつ人がいる。
日本は細かいところで順法意識がものすごく強い。
僕は食えない人は勝手に物を売ったりとかしていいと思う。
社会に物申すことを根っこから刈り取って無菌状態にしてしまうと、
社会が自家中毒を起こし、ひどい結果になります。

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