SlowWatercafeでは週末、青山国連大学のオレンジデイという市場に出店していました。帰り道は小田原の無農薬オレンジやレモン、キュウイでリュックがいっぱい。それに今日は、なんとお客様からも、お買い物をしてしまいました!
ナマケモノ会員の池田昌一さん。いつもイベントにいらしてくれていた池田さんに「最近会わないなあ」と思っていたら、「実は、畑を借りて有機農業をやってみようと思って」とおっしゃっていたのが、確か2年くらい前。アースデイマーケットを歩いているのを見つけると、いつも市場の日の野菜みたいにみずみずしい表情で嬉しそうでした。この秋には、自分の畑で、和綿を収穫することに成功したそうです。手みやげにいただいた、瓶入りの3つの和綿の実。外来のコットンの花より少し小さくガクは、ピスタチオ色の奇麗な縁取りが入っています。よく晴れた太陽が瓶に入って、白く光るフワフワとガクの形の幾何学的な美しさにしばらく見とれてしまいました。
池田さんは、続いて、リュックの中から本を大事そうに取り出しました。これ知ってますか?と。
『有機農業はじめました 88人の実践』 日本有機農業研究会本屋さんで見る
プロの農家を目指すわけじゃないけど、今年、ついに土地を買い農的暮らしにもう一歩踏み込む私にとっては大変気になります。だけど、本の上にマジックで「自家用」、と書いてある。駄目もとで聞いてみると、「いえ、まだまだありますよー」と、リュックをごそごそ。あ、これって、ナマケモノにありがちな習性!
これは、有機農家にアンケートを送付したり、それを集計したりと、池田さんも編集作業に携わって完成させた本なんだそうです。思わず、お店の中からお金を払って、本を買ってしまいました。1500です。
夜、家に戻って、部屋に和綿を飾り、本を少し読んでみました。どっと疲れているはずなのになんだか嬉しくて、なかなか眠くなりません。冒頭の対談、野菜を作って販売して暮らしているひと、それを志して修行中のひとに混じって、平日はサラリーマン、週末畑に通う池田さんの発言がキラリと光っていました。ナマケモノ会員の七草農園の小森さんの頁や、有機菜ENの早苗ちゃんのエッセイも!農家に足を運んでの学び方、農地の借り方、道具の選び方、実践するなかでの苦労や楽しみなど、普通だったら何件も訪ねて歩いて仲良くならないと聞けないような話が、等身大で、どんどん出てきて、インスピレーションが満載でした。農への愛があふれた一冊です。
和綿の写真や、もっと詳しくみたいひとは こちら
藤岡亜美