「板橋の田園調布」常盤台の土地区画整理事業、グリーンベルトを一周する岩の湯のジョギングコース

東京レポート、中板橋駅の次はときわ台駅です。

駅舎は少しレトロなアールデコ調デザイン、駅前も信号のないロータリーとモダンなつくり。駅の北側が昭和10年頃東武鉄道の所有地を中心に土地区画整理事業で開発された常盤台住宅地で、「板橋の田園調布」とも呼ばれています。

実際に田園調布をお手本にしたらしく、放射環状道路で楕円形に造成した住宅地で、さらに様々な実験的な住宅地設計を独自に採用しています。例えば、無用の車が入ってこないように袋小路にしたクルドサックが何カ所かあり、円形の道路の周囲を住宅が囲んでいるのは日本離れした良さがあります。

特に常盤台を有名にしたのは、地区内を一周するグリーンベルトで、普通は中央分離帯のない往復2車線の道路の中央に植樹帯を設けています。

この住宅地にも岩の湯という銭湯があります。看板がない和風建築の玄関を入ると、岩の湯と書かれた情緒豊かな灯りが出迎えてくれます。カウンター方式なので脱衣場が少し狭くなってしまいましたが、ロビーが広くてこちらでくつろいでいるお客さん、坪庭を眺めながら長椅子で涼むお客さんなど、ほのぼのとした雰囲気です。浴室の壁絵は昔ながらの富士山の背景画です。

岩の湯 板橋区常盤台1−34−10 東武東上線ときわ台駅から10分くらい 16:00〜23:30(日曜、祝日は15時半から営業) 金曜お休みです。

岩の湯も板橋区の他の銭湯同様、銭湯を起終点にしたウォーキング、ジョギングコースを設けていますが、地の利を活かして、常盤台のグリーンベルトを一周してくるコースをお奨めしています。

常盤台の住宅地は今でも東京屈指の住宅地だと思いますが、様々な課題もあるようです。マンションやミニ開発と住民の摩擦が絶えず、幟があちこちに立っています。

また東武東上線は地平を走っていて、踏切の数も、また列車本数も多く、いわゆる開かずの踏切が豊島区、練馬区だけでも30カ所以上あります。最近もときわ台駅脇の踏切で、遮断機をくぐった女性を助けた駅前交番のお巡りさんが列車にはねられて殉職するという痛ましい事故が起きてしまいました。