御苦労さま「江ヶ崎跨線橋」、第二峯の湯と同潤会鶴見末吉住宅

2月21日土曜日、横浜市鶴見区上末吉にある第二峯の湯へ向かってJR南武線の矢向駅から歩いていた時のことです。かつて新鶴見操車場のあった広大な空き地にかかる江ヶ崎(えがさき)跨線橋をいつものように渡ろうとすると、「撤去のお知らせ」が。23日(月曜日)朝から閉鎖するので、迂回路を使ってと書かれていました。すでに自動車通行止めになっていたので、いつかはと思っていましたが、ついにその日が来てしまいました。

江ヶ崎跨線橋は昭和4年に新鶴見操車場が開設されたとき、東西の通行を確保するために架けられた跨線橋三姉妹のうち、架け替えられずに残っていた最後の橋で、イギリス製の鹿島田、ドイツ製の小倉とともに、明治時代の鉄道トラス橋の転用です。

1896年英国Handyside製プラットトラス2連、 1895年同じくCochrane製のポニーワーレントラス1連は、前者は現在の常磐線隅田川橋梁、後者は東北線荒川橋梁(二代目)からの転用と、生まれがはっきり分かっていました。というのも特にプラットトラスの方ですが、普通はH型が多い柱の断面が、い卍型をしているなど、独特の構造でした。理論より経験を重視する英国製だからでしょうか、意外にこの構造は頑丈なようです。その後主流になった理論第一のアメリカ製トラスがほとんど残っていないのに対して、わずか16連しか輸入されなかったのに、JR大糸線穂高川橋梁、東武鬼怒川線砥川橋梁など、今でも4か所で仲間が働き続けています。113年間も異国で働き続けた英国製鉄橋に御苦労様と言ってあげたいものです。

感慨にふけりながら、さらに鶴見川を渡って、上末吉にある第二峯の湯へ。近くに同潤会鶴見末吉住宅のエリアもある古い住宅地の中にあります。コンクリートの建物なのですが、ちょっと分かりにくい。外からはどこにも店の名が書かれていないのです。煙突が目の前にあるのに、何度も通り過ぎてしまい、やっと暖簾にきづきました。なかなか可愛い絵柄です。

入ってみると、浴室の壁にもあまり装飾がありませんが、広々としていて、天井も高く気持ちいいです。浴槽はシンプルでジェット等はありませんが、全体が薬湯です。しかしその熱いこと、最初は熱い方には入れず、ぬるい方で慣らしてから熱い方に再チャレンジしましたが、5秒と我慢できません。ぬるいほうでも水でうめて入っている人がいました。お客さんは他の住宅地の銭湯と同様、高齢の方が多い印象です。

実は江ヶ崎跨線橋から第二峯の湯の間には市の湯という銭湯もあるのですが、営業しているのを見かけません。ちょっと心配です。

第二峯の湯 横浜市鶴見区上末吉5-2-19 鶴見駅からバス10分、上末吉局前下車 15:30〜23:00 水曜日お休みです。