芸術選奨に加藤種男氏、新人賞に山出氏

美術、演劇、映画、音楽、舞踊など10分野において、その年に優れた業績をあげ、新生面を開いた方に贈られる「芸術選奨文部科学大臣賞」と「芸術選奨新人賞」。平成20年度の受賞者にアサヒビールの加藤種男さんとBEPPU PROJECTの山出淳也さんが選ばれました(こちら)。おめでとうございます。
いずれも「芸術振興」という分野での受賞(芸術そのものでいいんじゃないかと思いますがそのへんはまあ)ですが、地域をテーマとしたアート・プロジェクトの意義が広く認められてきた証だと思います。
おふたりの受賞理由は以下のとおり。

「加藤種男氏は,アサヒビール株式会社の企業メセナ活動のリーダーとして「アサヒ・アート・フェスティバル」を企画運営し,全国の市民主導による地域文化振興や,アートNPOの育成に多大な貢献をした。特に,平成二十年の同フェスティバルでは,アートツーリズムという概念を打ち出し,各地のユニークな芸術事業が大きな地域資源であることを提示した。また,財団法人横浜市芸術文化振興財団の専務理事としても辣腕をふるう加藤氏は,平成二十年に「黄金町バザール」の陣頭指揮を執り,芸術による大規模な地域再生事業で横浜市の文化芸術創造都市構想に大きな結実をもたらした。」

「国内外の主要美術館や美術展で作品を発表するアーティストである山出淳也氏は,文化庁在外研修員としてパリに滞在後,故郷・大分に戻り別府市において BEPPU PROJECTというNPOを立ち上げ,芸術による地域振興事業で目覚ましい活躍をしている。特に平成二十年度は,中心市街地活性化協議会の一員として行政や地元経済界,大学やNPOなどと連携し,空き店舗をリノベーションして再利用するPlatform事業で次々と新たな交流空間を生み出し,地域再生のコーディネーターとして多大なる文化力を発揮している。」

ますますおもしろくなっていく「まちとアート」なことです。

門脇篤