幸福のレシピ 藤井あけみより

ささやかな喜び感じて

人間には強い刺激を多量に受けると
穏やかな刺激を感じづらくなる性質があります

ゲームも同じで絶えず変化する画面に慣れてしまうと
静止している物に対して注意が散漫になります

ゲームに夢中になるとき子どもの脳内では
神経伝達物質ドーパミンが出ています
しかもその放出量は『スピード』のような覚せい剤を投与した時の
ドーパミン増加量に匹敵すると言われています

しかしドーパミンは本来すごくうれしい時に出る「ご褒美」物質です
それが常に出てしまっているという事は
普通の生活の中でのささやかな喜びを感じづらくしています

ですから長時間ゲームをする子どもの脳は
過剰なドーパミンにさらされ続け神経細胞の感受性が低下しています
よって勉強にも対人関係にも無気力、無関心になってしまうのです

春先、クロッカスが細い芽を出したのを見たとき
心にぽっと温かな明かりが点りました
これは昨秋土を掘り起こして球根を植え冬の間ひたすら
待ちわびる時間を過ごしたから感じる喜びなのです

ささやかですが、こんな日々の小さなうれしさの積み重ねが
幸福な人生の秘訣なのではないかと思います

もうすぐ春です。
ゲームは閉じて引き出しにしまって鍵もかけてしまいましょう
しばらくの間ゲームとは無縁の日々を過ごしてみませんか
自然の中にはゲームをはるかにしのぐ驚きと面白さがあふれています

<ハコベの花が咲きました>