ユースアドバイザー養成講習会報告
発達障害を抱える若者へのジョブコーチ、フォローアップについて
梅永雄二氏(宇都宮大教授)
①発達障害とは
1.広義の発達障害
発達期に障害を持つ者(古くは脳性マヒ、視覚障害、聴覚障害)
2.狭義の発達障害
自閉症、アスペルガー、LD、ADHD、およびその周辺
現在発達障害支援とは2の狭義を対象としている
②知的障害とは
精神薄弱、知的遅れ、精神発達遅滞、
知的水準が健常者に比べ2標準偏差以下のもの
知的検査によるIQ値が70未満、療育手帳所持者
③自閉症
特徴1
言葉が出ない、ごっこ遊びがない、友達に興味がない
注意の持続が難しい、名前を呼ばれても返事をせず他人に無関心
激しいかんしゃくを起こす
特徴2
アイコンタクトが少ないか全くない
手をひらひらさせたり、身体を前後に揺すったりする
1つのことに固執する、変化を嫌う、ある特定の音や匂いに敏感
自閉症というスペクトラルの中に 脳障害、知的障害、アスペルガー、
ADHD、LD、ALAAHFA等が存在しこれらを発達障害と称して扱われている
④アスペルガー症候群
特徴1
友達がいない、友達がほしいと思わない
友達がほしいと思っても作り方がわからない
表情のような社会的コムニケーションを読むことができない
自分と異なる他人の感情を読むことができない
特徴2
興味の範囲が狭い、運動神経が鈍い、変化に弱い
機械的な話しかた、人の気持ちを無視して話す
アスペルガー症候群を持つ有名人
アインシュタイン、ニュートン、トーマス・ジェファーソン、ゴッホ、など
⑤LD…学習の習得上に何らかの障害を持つ
・読みの障害・・文字の区別ができない、文字を音声にできない
・書きの障害・・うまく綴れない、鏡文字
・計算の障害・・繰り上がりがわからない数字や図形を正しく写せない
・付随する障害…視空間認知の障害
⑥ADHD…注意欠陥多動性障害
・不注意・・言われたことを聞いていない
・多動・・・じっとしていられない
・衝動性・・順番を待てない
⑦ALAAHFA…学習障害、注意欠陥多動性障害、アスペルガー、高機能自閉症の成人
ALAAHFAの人の特性と関連する就労上の課題
・読み書きが苦手
・マニュアルが読めない
・メモが取れない
・報告書が書けない
・情報を正確に捉えられない
・注意欠落
指示が頭に入らない、やることを忘れる
仕事に手をつけないままにしてしまう、問題を要約できない
・コミュニケーションが苦手
相手にどう伝えたらいいか判らない、失敗しても理由がわからない
特定のことへのこだわりが強い
⑧就労支援
・ポイントはジョブマッチング
・企業サイドの理解啓発
・親なき後の住居を含めた就労支援
・柔軟な就労形態と最低賃金の確保
・労働支援と福祉サービスの連携
これらを考慮したトライアングルの支援
能力、なりたいニーズ、チャンス(体験)
本人のニーズと適切なサポートで自立の援助を
今回具体例を取り上げてわかりやすく発達障害の理解と支援を勉強しました。
大事なことは、本人の症状、状況、環境などに細かく配慮し特性を活かして
社会の一員である生活を営むこと
それを福祉生活就労のすべてにおいて支援できること
また一人ではなく大勢の人と個人のケースを共有して検討すること
ユースアドバイザーの位置がわかる講座でした
<スノードロップが咲くと春の訪れを感じます>