須賀の湯 平和台、氷川台のミステリーサークルと東京「細道路網計画」

銭湯のあるまちレポート、今回は、東京の北西部、練馬区の平和台、氷川台というまちです。ここにはその筋で有名な「ミステリーサークル」があります。

付近の地図、できれば住宅地図のような細かいものがいいのですが、東京メトロ有楽町線と並行する道路にある氷川台駐在所前、平和台一丁目、平和台三丁目などの交差点に注目してください。交差点を中心に道路が二重、三重にきれいな円(多角形)を描いています。

住宅団地内の道路ならありそうな形ですが、普通の市街地の中にいくつも並んでいるのは尋常ではありません。戦前、畑ばかりだった時代からあったようで、その頃はまさにミステリーサークル状態だったかも。

残念ながら私にはその由来ははっきりとは分からないのですが、昭和5年頃から東京市では幹線道路だけではなく、細道路網を都市計画決定して、環境のいい住宅地をめざす動きが進められました。平和台・氷川台では太平洋戦争の直前に区画整理事業が行われたのですが、その際に地区内の道路網を斬新な環状パターンに整備したものの、戦争が始まり、住宅建築ができないまま、ミステリーサークルのようになってしまったのではないかと推理しています。

須賀乃湯も、このような交差点の一つにあり、通りから一歩入ると、不思議な方向に道路がつながっていきます。建物は堂々とした和風建築で、浴室は浴槽が中央に細長く設けられていて、浅めの浴槽で体を伸ばせます。お湯の温度は少々ぬるい目。細かい点では桶ですが、普通ケロリンとか書いてある部分に須賀乃湯と書かれたオリジナルの桶を使っておられます。
銭湯の駐車場にタクシーが停まったので、「タクシーで銭湯?」と思ったら、運転士さんも道具を持ってご入浴。休憩時間か勤務明けなのでしょうか、大事なお客様ですね。

須賀乃湯 練馬区平和台2−10−3 15:30〜23:30 火曜お休みです