習熟度別の授業 効果出ない例も 文科省全国調査

習熟度授業は各都道府県の3〜9割の学校で導入されているが、
専門家は「単にクラスを分ければいいというものではない。
個々の状態に応じたていねいな指導が必要だ」と指摘している。

文科省は、小6、中3を対象に08年4月に実施した
全国学力調査をもとに分析。

それによると、習熟度別指導を受けた子の方が、
受けていない子より正答率が1ポイント以上高い問題が
小学校で14問中5問、中学校では20問中4問あった。
ただ、差は最大で3ポイントにとどまり、受けていない子の方が
逆に正答率が高い問題も小学校で3問あった。

都道府県ごとにみると、小学校の算数で、習熟度別の実施校の方が
正答率が1ポイント以上高い県が10ある一方で、
非実施校の方が1ポイント以上高い県も5あり、
それ以外はほとんど差がなかった。

浅沼茂・東京学芸大教授は
「効果が出ている学校を見ると、低学力層は10人くらいのグループにし、
教材や教え方も変えている。子ども一人ひとりの性格に合わせて
声のかけ方まで工夫している」と指摘する。
文科省の担当者も
「効果が出るかどうかは、結局、先生がどういう方法で教えているかに
よるのではないか」と言う。

<桃の花がきれいです>