銭湯とまち+桜の第3弾 桜が迎える同潤会駒沢分譲住宅と交差点の銭湯、明の海

前回書ききれなかった桜の季節のレポート、今回は世田谷区駒沢大学の明の海です。普通銭湯の名前は東京では○○湯がほとんどですが、明の海というのはちょっと変わった名前ですね。(もとは千歳湯と言ったんだそうですが、もし明の海の由来、ご存知の方いらっしゃれば・・・)

田園都市線駒沢大学駅の近く、国道246号と環七が交わるスーパー交差点、上馬交差点にあります。ビルの一階なので、脱衣場、浴室ともこじんまりとしているのは仕方ありませんが、例えば脱衣場の床や壁、脱衣箱などにも木が多く使われていて、意外にぬくもりが感じられます。浴室の天井も高くはないのですが、脱衣場との仕切りのガラス窓が広くて明るいし、換気が強力なのか湯気もこもりません。面積的には狭いのかもしれませんが、余分なものがなくて、(その代わり配管や蛍光灯の支えなどがあちこち走っていますが)洗い場をゆったり使うことができるのがうれしいです。

浴槽はジェット、薬湯、電気、ジェットの方は浅めで体を伸ばしてという感じです。でもぬるくはありません。壁はちょっとしゃれた抽象画風のタイルです。お風呂上りは牛乳はなくて、ラムネがありました。

明の海 世田谷区上馬四丁目11−28 15時から深夜1時 木曜お休み 田園都市線駒沢大学駅から5分

駒沢大学駅から今度は明の海と反対の桜新町駅の方へ歩いていくと、右手に西洋の城のような二基の駒沢配水塔が見えてきます。桜と配水塔のユニークなデザインがちょっと素敵。

もう少し行くと、立派な桜の古木が通りの入口を守るように立つ一角があり、庭に桜の木がある広い敷地の住宅が並びます。同潤会は、自ら区画を整備した普通住宅や、赤羽のように区画整理で広い道路が整備されていた住宅では、桜の並木道をつくりましたが、住宅の庭に桜の木を一本ずつ植える様に分譲の際に勧めた住宅地もあったようです。

もう80年近くたって古木になっているはずですが、この駒沢住宅や、洗足台第一住宅、経堂住宅など、春の同潤会分譲住宅地は、わずかに残る同潤会建築とともに、名残の桜がまちを彩ります。