Nプロジェクト〜5月4日第一回とがびジャパンツアーin群馬・桐生レポート

Nプロジェクトの中平です。5月4日、第一回目のとがびジャパンツアーを行いましたので報告いたします。
このとがびジャパンツアーの、目的は、日本各地で行われているおもにアートプロジェクトなどアートを地域に広げようとしている活動にお邪魔させていただき、小中学生と連携を広げていく可能性を伝えていく取り組みです。また、今までアサヒアートプロジェクトに参加していながら、自分たち以外のプロジェクトを見に行ったことがありません。それは絶対もったいないと考え、自分たちの宣伝も兼ねて、アートプロジェクトを見学しようというねらいです。
今回は群馬のワタラセアートプロジェクトのみなさなが呼んでくださいました。様子をレポートします。

桐生駅の周辺には、3か所、WAPのピンクの旗が翻っている場所がありました。秋添付をお借りし、その一階や、ビル全部を借りて展示をしているようです。長野駅周辺は、空き店舗が多いのですが、このようには貸していただけません。うらやましい限りです。
私が一番興味を持った作品は小鷹さんというアーティストによる望遠鏡の作品。望遠鏡や双眼鏡がいくつか置かれ、のぞいてみると、遠くの商店の屋根や道端に、ひっそり置かれた造花が映し出されます。まさか、そんな所に造花が置かれているなんて想像もしないので、びっくりします。風景にあるものすべてが「わざと置かれて」いるように錯覚してしまいます。小鷹さんいとがびについて話をすると、興味をもってくださいました。ぜひ、中学生に会わせてみたい作家さんです。

西桐生駅から電車に乗り、赤城へ向かいました。電車の中には、なんと自転車を引いた高校生が乗車してきます。うわさには聞きましたが、本当に自転車も電車に乗っています。
赤城駅で下車し、しばらく徒歩で歩くと、醤油屋さんが見えてきます。古い醤油工場で、おもわず醤油を買ってしまいました。
その近くに、本日のパネルディスカッションの会場である、旧マンガン工場がありました。赤城の「赤」は銅なんだそうです。土地から取れる鉱物を電池にしていたそうです。まさに、土地のにおいや歴史がしみこんだ場所なんですね。そういった場所を探し、掘り起こしているのがwapの活動なんだなあと思いました。会場に到着すると、すでにお客さんが15人ほど集まっていました。美術大学の学生さんや、地元中学校の美術の先生もいらっしゃいました。

発表では、とがびの紹介ということで、パワーポイントを使って概略と、キッズ学芸員について30分ほど説明をさせていただきました。とがびが何を目的に行っているのか、中学生に何故アートが必要なのか、中学校の美術教育の時間が減って生きている現状などを話をしました。とがびなどアートプロジェクトは、切羽詰った状況からスタートしているという話をし、皆さん真剣に聞いていただけました。
フリーディスカッションでは、横浜からこられたNPО「OVAオーヴァ」の蔭山さんからは、実際に横浜で小中学校の先生と連携されていることによる問題点や課題などが話されました。地元の中学校の先生からは「学校が荒れていて、選択授業の時間もない。どうすればいいか」という質問。「wapの作品をお借りしまず学校に展示してもみる。作者に学校に来ていただいて中学生と交流したらどうか」など具体的なお話をすることができました。あっというまに時間が終わり、私としては、来てくださった方々が満足していただけたか心配でした。そのごのパーティーでは、大学生の方ともお話ができ、私自身の考えもまとめることができました。

実際に長野県を出て、日本のいろいろな方々とお話しをするという機会は本当に貴重だなと思いました。今回は、中学校の先生が来られていて、現場の状況も語りながら具体的に話をすることができたことは。群馬まで来てよかったなあと実感することができました。今後も、どこへでも手弁当で出張していきたいと思いました。
 ある参加者の方から、こんな鋭い質問がありました。「アートプロジェクトは、所詮文化祭の延長ではないのか。どこが違うのか」。私自身は、中学生好みの作品を世の中に発表していくことがとがびなどの活動の意義であると考えます。あまりに、中学生向けのアートが世の中に少なすぎます。世の中に少ないのならば、自分たちで作り出そうと思います。そう考えてくれる人が増えてくれば、もっと美術を好きな中学生が増えると思います。

*第二回とがびジャパンツアー先を募集しております。手弁当でどこへでも出かけます。ご連絡ください!