Nプロジェクトの中平です。群馬・桐生市までとがびアートプロジェクトの実践や中学生の素晴らしさを伝えようと「とがびジャパンツアー」へ行ってきました。そこで出会った一枚の絵を紹介します。
私たち一行は昼食のために「喫茶店・芭蕉」へ行きました。そこは魚心さんという方が自ら設計して作った喫茶店で、昔から多くの著名人が訪れていたそうです。著名人の一人が版画家・棟方志功です。魚心さんの注文である、店の壁に大きな壁画を描いたそうです。書き上げたその日、作品があまりに華美すぎるということで魚心さんは、左官に壁画を全て塗りつぶさせました。その後50年間幻の壁画として、存在自体もうわさになっていました。それが昨年、再発見されたそうです。私も見させていただきましたが、鮮やかな色彩が印象的でした。志功の近くに寄れたような気がしました。
この壁画について、店員の方が熱心に説明してくださいました。壁画の歴史やエピソード、志功と魚心の関係、再発見された時の刻一刻と現われてくる様子など、私自身がその場にいるんではないかというリアルな感情を生む説明をされました。「この方は、作品を大好きなんだなあ」とその熱心さに感動しました。学芸員って、本来こういうことを言うんではないかと思いました。キッズ学芸員も、同じです。自分か大好きな作品だから一生懸命伝えたくなるのです。小中学生の意欲を高めるのは、まさにそこがポイントなのです。