春の小川とおじいちゃんの話、代々木八幡の八幡湯

♪はーるのおがわは・・・・童謡「春の小川」はみなさんご存知ですね。この小川は若者の繁華街、私は若干苦手な、あの渋谷を流れていたのだそうです。今の雑踏からは想像できないのですが、渋谷駅から遡っていくことにしました。

宇田川町は渋谷の中でも特ににぎやかな通りで、ここに渋谷川の源流の一つ、宇田川が流れていました。そういえば不思議に緩やかに道路が曲がっていますし、繁華街をはずれるとその跡は遊歩道になっており、意外に静かな街の間を。NPO渋谷川ルネッサンスの取り組みで、電柱に「春の小川」の標識が付けられているので、これを見ながら辿っていくことができます。

その途中で、60歳代の方でしょうか、「どぶ川だったけど、母の子供のころは本当に春の小川だったそうだよ。」という地元の方のお話。宇田川の跡は、代々木八幡駅付近で小田急にぶつかりますが、電柱の標識に従って線路沿をいくと、代々木小公園の前、小田急の線路に面して、「春の小川」の碑があります。春の小川はさらさら流る・・・という碑を眺めていると、「文語体だよ。」という方、ここでも昔を知る方からお話がいただけました。

この付近は宇田川の支流で、コウホネの花がたくさん咲いていたので「河骨川」といったそうです。その参宮橋のそばにあって、代々木練兵場の拡張のために幡ヶ谷に移転した清岸寺に、春の小川を復活させて河骨を植えようと活動していること、練兵場のためにこの辺りから立ち退い住民の方が建てた「訣別の碑」が近くの代々木八幡の境内にあること、自宅が以前渋谷にあって、子供の頃もう老犬だったハチ公の頭をなでたことなど。春の小川復活、ぜひがんばって下さい。

川の源流をたどると、なぜか銭湯が登場することが多いような気がします。ここ河骨川沿いにも代々木八幡駅の近くに八幡湯があります。玄関が近代的で、気がつきにくいのですが、脱衣場の天井や梁、浴室の構高い天井や柱は木造建築のものです。しかし脱衣場、浴室ともに、きれいに改装されていて、印象は清潔でやさしい。壁の絵は富士山で、洗い場の壁面にも計5枚の絵が描かれています。3枚は富士山、あとは能登半島の見附島と、北海道の大沼と駒ケ岳のようです。ぬるめのお湯で足をのばし、ゆったりと絵を眺めるのは至福の時と感じます。

八幡湯 渋谷区富ケ谷一丁目2-10 15:30−24:00 小田急代々木八幡駅、東京メトロ千代田線代々木公園駅すぐ 金休み