ベンガラ塗り体験会の報告

6月28日(日) 上京区にある町家にお施主さん、大工さん、他参加者7名が集まり「ベンガラ塗り体験会」が行われました。
まず、松煙とベンガラを合わせ色を調節します。松煙とは松を不完全燃焼させてつくった煤(すす)を集めた炭素黒色顔料のこと。ベンガラとは酸化第二鉄を主成分とした赤色顔料のこと。発祥の地はインドのベンガル地方といわれ、それにちなみ「ベンガラ」と呼ばれるようになったと言われています。

色合わせをしたものに、塗装用の油を少しずつ入れてよくかきまぜます。刷毛で塗ったあとは、布ですり込みます。色合わせは難しく、赤色が強かった天井はもう一度全体を塗り重ねました。

私も半日だけですが、ベンガラ塗りを体験させていただきました。お施主さんが愛おしそうにベンガラを塗る姿を見ていると、おのずとこちらも真剣になります。家をなおすとなるとそれなりにお金もかかり、覚悟も必要です。現実は厳しいものですが、「残したい」「生かしたい」という思いが少しでも広がることを期待しつつ、微力ながらでもお手伝いができたことが嬉しい一日でした。(よしおか)