環境政策の政治学−ドイツと日本−坪郷實さんの新著

坪郷實さんの新著である。
坪郷さんは、現在は早稲田大学社会科学総合学術院教授をされているが、大学のキャンパスの中だけにとどまらず、NPO市民がつくる政策調査会(市民政調)理事会幹事、NPOまちぽっと理事など、市民の政策活動・市民提案などの分野でも幅広く活躍されている。
本書は、「統合的環境政策」のドイツにおける事例を分析するとともに、日本との比較研究を行っている。特に日本の環境政策については、「ローカル・アジェンダと環境自治体」に多くの紙幅を割かれて、現状と課題を追求されている。
環境政策は国を含めた「総合的な政策」が今日的な課題であることは、あらためて言うまでもない。まさに「環境ガバナンス」である。環境政策にかかわる自治体職員だけでなく、地域で暮らす市民にもぜひ読んでもらいたいと思う。

早稲田大学出版部 3150円(税込)
目次

第1章 統合的環境政策の構図
第2章 ドイツにおける環境政策の歴史—ブラント政権からコール政権まで
第3章 エコロジー的近代化としての環境政策—赤と緑の連立政権の意義
第4章 自治体における統合的環境政策—ローカル・アジェンダと環境自治体