母から子へ 受け継ぐ料理の心〜辰巳芳子さん

NHK番組〜 料理研究科の辰巳芳子さん
84歳になる 辰巳さんのスープ教室は 3年待ちだそうです。
その言葉の中に 辰巳さんの生きる姿勢が伝わりました。

3人兄弟の 長女として育った辰巳さんは
19歳で結婚、その2ヵ月後に 愛するご主人を戦争で亡くしました。
その後 大学へ入学するも 結核にかかり、
それから 15年間 闘病生活が続きました。
それを ずっと支え続けたのが お母さま。そして手料理でした。

ようやく病気から回復し、41歳から 料理研究家でもあった お母様の料理を
本格的に学び始めました。
しかし、お父様が 脳梗塞で倒れて 8年 介護を続けた後に なくなり
3年を置いて お母様も亡くなりました。

辰巳さんは 55歳の時に、料理研究家として スタートを切りました。
今 辰巳さんが 亡きお父様のために作り続けたスープが
食べ物がのどを通らない病気の患者さんに とても喜ばれています。

お母様は 辰巳さんに 料理以前の わきまえ事を沢山伝えたそうです。
例えば・・
「ふきんの絞り方は いく通りもあるのよ。
しっかり絞り切ったほうがいい時もあるし、水分を少し残したほうがいい時もある。」
「水を流すのも、好き勝手に 流せばいいわけじゃない。
魚の内臓をとる時に流す水は 糸のように細く出して、魚の味を流してしまわないように
レタスの葉を洗うのも ばさばさ洗うのではなく
自然に水につけておけばいい。
雑に扱って レタスに傷をつけると そこにドレッシングをかけたとき
その傷に酢が入ってしまって すっぱくなってしまいます。」と。

そんなお母さまから学んだ 辰巳さんにとって
お料理の信条は 時間をかけて 丁寧につくること。

「スープ教室をする 目標も優しさ、目的も優しさ、方法も優しさ
すべて 優しさを具現化するもんなんですね」

辰巳さんが大事に思う言葉は 「強きけいこ もの数をつくせよ」 (世阿弥の言葉だそうです)
意味は、喜びも悲しみも 方法も、いろんな局面に出会ったことで 
自分が高められるように・・と。
体得した手足の練習量のないものは あてにならないと おっしゃいました。

1つ1つ とても心に響く言葉でした。
親が子どもに 何かを教えること 生きる姿勢を伝えること
それも 親の責任の1つだと 私は思います。
そして それが 子どもの家庭環境になります。
家庭のあり方の大切さと 責任をあらためて 思いました。

ここから おまけです♪
好評 辰巳さんの「玄米スープ」の作り方〜レシピ〜

材料(5人分)玄米(80g1/2カップ)水5カップ
だし昆布5センチ 梅干し1個

1、水につけた後、水切りしてある玄米を 鍋で中火で乾煎りする。
 いり方は、しゃかしゃかではなく、自分の呼吸に合わせるように
へらを使い、ゆっくりと玄米が小麦色になるまで 
玄米がふくらんだら 火は小さくして 25分ほど煎る。
2、対流がいいように ホーローのポットなどに
玄米ほか 材料を全部入れて 中火にかけ、煮立ったら 30分ほど細火でたく。
3、そのスープだけ器にとって できあがり。
残った玄米も おじやなどにする。
排便を助ける効用もあるそうですよ。 このための時間をとって やってみようかな・・・