大阪府立狭山池博物館では、大阪府と大阪狭山市に地域の市民団体を加えた協働運営が、今年の4月から始まりました。全国でもまれな取り組みになるものと期待されています。
これまでは、大阪府が直営で運営する土木技術の博物館だったものが、三者協働運営に移行するに当たり、地域に開かれた文化拠点としての新たな役割を担うことになりました。

三者協働の取り組みとして、市民団体の提案をもとに、大阪府立箕面公園昆虫館の協力を得て、「世界の昆虫展〜不思議な昆虫の昆虫展〜」を夏休み期間に開催し、1万5000人が来館しました。

協働運営に移行してから初の博物館としての本格展示がいよいよ始まります。
大阪府立狭山池博物館・大阪狭山市立郷土資料館共同運営記念展
「狭山池復活〜慶長の改修にみる先端技術」
9月26日・土曜日から始まります。

慶長の改修は、狭山池の歴史上最大規模の改修事業と言えるもので、戦乱の時代が終わり、平和の時代を迎えたことで、戦いの中で発達したさまざまな技術が生産力の増強など民生への活用が進められたものです。
「狭山池復活」という今回の企画展示を通して「狭山池博物館復活」の道筋を発見できることを願っています。

今回の展示の最大の見どころは、これまで収蔵庫で眠っていた巨大な狭山池木製西樋の一部を復元展示したものです。
300年前の木材とは思えない圧倒的な存在感と、これほどの構造物つくりあげた当時の技術の高さを感じることができます。

いよいよ展示作業も大詰め、まもなく始まります。