とがびレポート55〜「とがび」のディープな中学生

Nプロジェクト実行委員会代表の中平です。今年、私は櫻ヶ岡中学校で「さくらびアートプロジェクト2009」を行いました。とがびとさくらび、中学生のアートを展示している様子は同じですが、もっとも違う点は、中学生が「ディープ」かどうかということだと思います。

写真は、とがび2009の「桃蓮華鏡」という男子中学生の完全自己プロデュース・リサイタルです。会場つくりから、演出、歌唱全て自分で行う徹底振りは、「本気」を感じさせます。中学生の本気は、大人も感動させ、大人をも本気にさせるのです。中学生の本気は、今どこにあるのでしょうか。学校の部活動でしょうか。部活動の人気が下降気味である今、桃蓮華鏡は、なぜ選択音楽ではなく、選択美術を選んだのでしょうか。桃蓮華鏡や「透明人間」という作品からは、本気が感じられるのです。本気だからこそ、もしかすると、表面的な美しさよりは、生々しさや、暴力的な感じを受けるかもしれません。しかし、それが中学生の表現なのです。表面的な技法は乏しいのです。
さくらびは、大人から見るとわかるやすく、美しいのですが、中学生のきわどい本音が表出していたかはわかりません。今後さくらびが目指すのは、中学生が自分の本当にやりたいことを本気で表現すること、そういうことを「かっこいい」と思える中学生を育てることなのではないでしょうか。