横浜市金沢区六浦のみなと湯と、同潤会六浦住宅、「同潤湯」

今回横浜市の六浦(むつうら)まで遠出ですが、京浜急行の六浦駅よりも、横須賀市内の追浜(おっぱま・・・ちょっと変った読み方)駅から行ったほうが近いです。

 そこまで出かけたのは六浦に「同潤湯」という銭湯名を発見したからです。同潤会六浦住宅地の中か、近くにあったことは想像されますが、すでに廃業されていて、しかも廃業時の所在地は旧住所、ちょっと難航です。結局、近くとおぼしきあたりのクリーニング屋さんに聞いてみると、親切に教えていただけました。同潤会住宅地とは道を挟んだ場所で、いまはコインランドリーがその名残をとどめています。

 同潤会住宅アパートメントに共同風呂があったことは有名ですが、アパートメント以外の同潤会住宅の場合、風呂はどうしていたのでしょうか。勤め人向け分譲住宅の平面図には浴室がありますが、4連戸の普通住宅の場合、浴室はスペース的に無理、職工向け分譲住宅も原形では浴室がありません。実際に同潤会の普通住宅地、職工向住宅地のまわりは銭湯密集地であることが多いようです。ただどの場合も敷地は広いので、最近は浴室を増築された方も多いでしょう。同潤会住宅の近辺に廃業銭湯も目立つのは残念です。
 
ところで、六浦住宅は戸建てですが、勤め人向けか、職工向けかはっきりしません。資料には載っていないことが多いのです。旧海軍航空技術廠があった追浜に隣接する位置から考えて、職工向きのようなイメージですし、今回見つけた同潤湯という銭湯の存在は、浴室のない住宅を暗示しているような気がします。

クリーニング店の方は親切で、営業している最寄りの銭湯として、みなと湯を教えていただきました。すぐ近くの国道を渡って、道路から少し奥へ庭石などが置かれたアプローチを行くと、右手に旅館、左手にみなと湯があります。
 立派な和風建築、玄関の前には鯉の泳ぐ池があって、風呂上りに休憩することもできます。脱衣場も立派で、高い天井が見事です。浴室はタイルで新しくなっています。旅館にお泊まりの方も、入浴は銭湯の方に来られているようでした。

みなと湯 横浜市金沢区六浦東三丁目1-23 15:30〜22:00 木曜お休み 京浜急行追浜駅から10分、金沢八景駅、六浦駅からも歩けます。