両国亭での落語を楽しんで

9月10日(木)お江戸両国亭で落語鑑賞をしました。客席はパイプ椅子を並べたもので、当日の客数はざっと70人。 6:00p.m.開演に先立って前座は三遊亭楽大が「寄合酒」、トップバッターは10月1日に真打となった三遊亭王楽(好楽の息)で、「雑俳」。彼は円楽の27番目の弟子ということですが、なかなか話に勢いのある落語家です。古今亭菊春の「目黒のさんま」は、色々の方の話を聞いているのですが、こんな解釈や話方もあるのだなとちょっと驚き。初音家左橋「紙入れ」、三遊亭円左衛門「湯屋番」と続き、笑点でおなじみの三遊亭楽太郎。もうすぐ円楽を継ぐということで、遠方からのファンも多かったようです。ここで大いに笑ったのが、大工の居酒屋での酔態の演じ方。お酒が大好きで、1滴たりとも無駄にしたくないという心根の表現の仕方。テレビではお目にかかれないある意味どぎついまでの表現。しかし生の芸に触れているという充実感たっぷりの時間でした。ここで仲入り。 食いつきは三遊亭五九楽「ちはやぶる」、色物のマギー隆司の奇術に続いてトリは三遊亭とん楽。演し物は大岡越前裁きの一つを現代の審判員制度に絡めたとん楽特有の作品ですが、雑学の大家?といわれるだけあって話の至る所に教養が滲み出ています。
終演9:00p.m.—広い寄席や、テレビとはまた違った味のある所で、人間味溢れる寄席でした。この文章作成にあっては、落語仲間の知恵も借りました。(浜崎慶子)