今日から12月です。
節目のこの時期に、少し自分の活動を振り返ってみたいと思います。
私が学生の頃から関わっている活動に、在宅「障害」者の訪問活動というのがあります。文字通り、在宅で生活している「障害」者のお宅を訪ねる、そして一緒に外に出ましょうと誘いかける活動です。
私は、ある「障害」者のお宅を訪問していましたが、何年かはご本人に会うことができませんでした。その親御さん(80近い方)から訪問を拒否されるということが続いていたからです。
まずは親御さんと関係をつくることから始めました。長い時間がかかりましたが、最終的に親御さんが体調を崩され、会う許しが出た時に、私たちが家の中に入ることが実現しました。
横になって寝ている、私の倍以上生きている「障害」者を前にして、何を話したらいいか、言葉がなかなか出てきませんでした。自分が動揺していることを隠すのに必死でした。そしてその静けさの中で、「自分が動き出さない限り、(人や社会資源など)周りにはなにもない」ということを痛感しました。
今その方は、いろいろな経緯があって在宅から施設へと生活の場を変え、私たちの訪問先も施設へと変わりました。
ずっと在宅にいたご本人にとって施設での生活は親以外の人との関わりがあり、日常は「経験」となって、「刺激的な世界」として映っています。
この在訪活動から、私は「障害」者は家から「出ない」のか「出られない」のか、その視点の転換を経験すると同時に、その現実に、関わる者として自分への突き付けを伴うこととなりました。
12月という一つの区切りに、これから取り組もうとしていることにズレはないか、心に刻まれた出来事を少しずつ引き出しながら点検していきたいです。そしてその出来事に飲み込まれないように、必要なタイミングで外に発信していけるように準備していきたいです。
おおつか