ユースアドバイザー養成講習会「面接技法の在り方・やり方」

地域における若者支援のための体制整備モデル事業(立川市)
ユースアドバイザー養成講習会「面接技法の在り方・やり方」
講師 長須正明氏(東京聖栄大学准教授)

<インテーク(面接技法)とは>
1.相談者がどんなことで困っているか(困り感)
2.相談者の周りにどんな資源(家族関係など)がある(ない)のか?
その資源を生かせるか?どこにつなげばよいか?

この2点を明確にし、支援の方針を立てることが第1の目的である。
それには、傾聴だけでは不十分で、
「あなたは〜なことが問題だから聞いているんだよね」等と
相談者にフィードバックすることにより、
論点の明確化・集約化に努めることが大切である。

また、親は子どもにとって必ずしもプラスの資源ではない。
場合によっては、親自身への支援も必要になるケースもある。

<インテークの目的>
1.言語的情報
どうしてそういう言い方、語りをするのかを捉える。
必ずしも事実の追求に重きを置かなくてもよく、
相談者の主観的な受け止め方を捉えることが大切。

2.非言語情報
雰囲気、身なり、字の書き方、歩き方、挨拶の仕方、話し方なども、
相談者のことを知る重要な手がかり(例えば発達上の問題や病気、家庭環境など)となる。
ちょっとした気がかりな行動に対してどれだけ気づくかが大切。

3.関係性作り
インテーカーと相談者との関係性作りがインテークの大切な一歩。
このインテーカーであれば安心して今後の相談もお願いできると
相談者に感じてもらい、次の約束につなげることが必要である。

<他に大切なこと>
1.傾聴の最中、感情のオーバーフローを引き起こしてしまい、
病気などのマイナスの部分を引き出し、ダメージを与えることがあるので注意が必要である。

2.相談者と信頼関係を築いていくなかで、
本人のつらい経験を受け止め、その認知を修正することも目的の一つである。
特に相談に来る若者は、
いじめなどを受けて同世代との関係をつくるのに困難を感じる場合が多いので、
同年代との信頼関係を築くことで、嫌な経験を嫌じゃない経験に置き換えられればベストである。

3.信頼できる大人との関係を通じて、
若者に社会のなかの居場所を持たせ、一緒にやろうという合意をつくる。
できないことにはこだわらず、プロセスをきちんと評価し、
できないことについてはどうすればいいか一緒に考える姿勢が
インテーカーの側に求められる。

4.若者支援は心理面だけで解決することではない。
求人倍率の低さなど、社会の問題として捉えるべきことも多い。
心理学的アプローチの限界を知り、社会的な視点も持つことが大切。

その他、コミュニケーションの問題の克服に、
大縄飛びが効果があったという事例の紹介(相手の動きを見て自分をあわせる練習になる)や、
言語性と動作性のバランスを知るWAIS−Ⅲという心理テストについてなど、
今後若者をサポートする上で役に立つ内容を知ることができました。
若者一人一人が社会的排除に陥らないために
できることを一歩一歩積み上げていきたいです。

<さざんかが冬空の下で鮮やかです>