障がいのあるこどもをどう理解し支援するのか

先の13日に香川大学の坂井聡さんをお招きして研修会を開催しました。

当日は日曜日にもかかわらず、学生ボランティアや保護者を中心にたくさんの人に集まっていただきました。

話の内容としては、知的障害をもったこどもたちとのコミュニケーションについて、こちらからの一方的なアクセスではなく、ちょっと視点を変えてやりとりすることでもっと理解が深まるということでした。

ポイントは非常にたくさんあったのですが、自分自身が一番感じたことはこどもの力をどう伸ばしていくのかというところです。

私自身が講演で呼ばれたときなどに話すことがあるのですが、個の能力を伸ばすということを縦軸に考えた場合、集団や社会性を育てることを横軸において二次元的に縦横を考えることでこどもの成長を考える必要があるということです。

坂井さんのお話ではこれとは少し違うのですが、個の能力の成長と、コミュニケーションツール、そして集団(他者との関わり)をあわせて三次元的な物差しでこどもの能力というものを考えてみたらということでした。

私が共通しているなぁと感じたのは、なにより個の能力の伸長について一定の「限界」があるということを念頭に置いて考えているというところです。

障害を持ったこどもの成長を考えたときに、多くの場合で個別の能力がどこまで高まるかという視点を重視しすぎて、本人や家族がとても疲れてしまったり、一方で社会との孤立につながったりという弊害が少なくないと思うからです。

個の能力には限界があるという前提であるならば、坂井さんの言うコミュニケーションや集団というものを伸ばすことで人間としての能力を大きく成長させられるのではという提起はとても重要なことだといえます。

私たち自身はどちらかというと、個の能力の成長はどこにおいても担うことができるので、むしろ社会性や経験を大切にし、その関係性の中でこどもの成長というものを支援者と家族がとともに見直していきたいと考えてきました。

そういった意味で今回の研修は非常によい機会になったのではと思います。

粟津