伝統構法の町家改修技術を学ぶ連続講座−4−

第4回の連続講座はしっくい浅原の浅原雄三さんを講師に「土壁の補強ポイントと施工方法」を学びました。古土の再利用についてや壁の補強と仕上げの塗り替えについてなどを教えていただきました。本物の土を使った壁は補修を繰り返し、何層にも塗り重ねられていることがあるそうです。浅原さんがかかわられた文化財修理で十層以上も塗り重ねられた壁があったことなど、貴重なお話を聞かせていただきました。

この日はしっくい浅原の職人さんが「泥ずり」と言われる下塗り作業の実演をされ、参加者も興味津々の様子でした。また、講座の終わりには漆喰に使う生石灰を用い、卵を蒸し焼きにし参加者にふるまうというサプライズもあり好評でした。当日はあいにくの雨模様で、参加者は若干減ったものの2回の講座でスタッフも入れると60人近くになり、盛況のうちに最終回を無事終えました。

今回の連続講座は、会のメンバーだけでなく、奈良県建築士会、奈良県で活躍されている職人さんや建築関係者、紀寺借家にかかわる工務店さんや職人さん、藤岡さんの事務所の方々…さまざまな方の協力、応援を得て開催されました。そして、現在、2月11日のシンポジウムにむけて、企画検討を続けています。地域に残る歴史ある建物、暮らしをつないでいくための方策を皆さんと共に考え、会の活動にも生かしていきたいと思います。皆さまのご参加を心からお待ちしております。