学力低下につながる貧困 青砥 恭より

私は高校を中退した若者たちの聞き取りから
若者の貧困と高校教育制度との関連を調査した
1つの学年で100人近くが中退する高校も出てきた
なぜこれほどの生徒が中退するのかという疑問が生じた

90年代に入り全国的に公立高校の通学区が拡大(解消)され
入学試験の点数(偏差値)ですべての高校が序列化された
高校の格差と序列が結果として政策的につくられた

教育に金をかけることができる富裕層の子どもは
高校の選択の可能性が広がったが
逆に貧しく低学力の子どもたちは行き場がドンドン狭まり
選択の可能性などなくなって地域の低辺校に入学していく
低学力で学習意欲のもてない生徒だけが集められれば
どういう学校ができるか結論は明らかだろう
多くの子どもたちが学校に誇りを持てず苦しんでいる

授業料の減免を受けている生徒の率が高い高校で
『九九もできずアルファベットも書けない』など小学校低学年レベルの
学力もおぼつかない生徒が相当数いることがわかった

フィンランドの学力が高く日本が低くなったのはフィンランドが
貧困から抜け出し日本社会が貧困の中に沈もうとしているからだ
子どもの貧困率が5%以下の国と14%の国との差でもある
子どもに豊かな学力をつけようというのならば子どもを貧困から解放することだ
学力問題は教室の外の貧困問題だったのである

・・・・・・私達の生活のすべては政治につながっているんですね・・・・・・

<シンビジュウムは冬を華やかに彩ります>