櫻ヶ岡中学校の中平です。先週金曜日におこなわれた2年選択美術「五感でアート」が終了し、櫻ヶ岡中学校の選択美術の歴史は幕を閉じました。私の中学校時代に始まった選択教科。平成23年度から実施される新学習指導要領の関係で、全国の中学校から姿を消すことが決定しました。本校では昨年度にはなくなる予定でしたが、選択教科の良さをもう一年延ばそうということで、平成21年度も行われました。
この選択美術に、私は夢を持っていました。選択美術は、必修授業と違い、美術をやってみたいというモチベーションの高い生徒が集まり、学校外へ活動を広げていくことができるおもしろい時間でした。暗闇美術館、とがびアートプロジェクト、さくらびアートプロジェクト、七瀬まるごと美術館、戸倉庁舎駐車場イルミネーションプロジェクト・・・・などその時間に行われた実践は多数ありますし、生徒に夢と希望を与えてきたいと思います。
その選択美術も、来年度からはありません。この良さをどう必修授業に生かしていくのか。暗中模索が始まります。
今回の選択授業をなくす一連の動きで、解せないのは文部科学省です。選択がなくなるという決定がなされる一ヶ月前、文部科学省は「必修授業の時数が少ないところは、選択美術で補って欲しい」と言っていたのです。その一ヵ月後、選択授業がなくなることが決定。しかも、そのことについての弁明や釈明は一切ありません。もっとおかしいのは、今まで選択教科を重要視していたはずなのに、なくなった後も、それを補う新学習指導要領へのフォローはまるでないのです。つまり、しっかりやってほしいと言いながら、なくなてしまっても、まるでどうでも良い時間であったかのような扱いしかしていないのです。文部科学省は自分たちの都合よいことしか考えていないと思われても仕方はないでしょう。
私は一番恐れるのは、同じような形で、ある時突然美術の授業自体がなくなってしまうのではないか、ということです。選択が突然なくなった時のように。