「沈黙の春」防ぐ心を レイチェル・カーソン日本協会理事長 上遠恵子より

1960年代米国の科学者レイチェル・カーソンが
農薬が生態系を滅ぼすという警告の書「沈黙の春」を著した
カーソンが指摘したのはDDTなどの農薬を無秩序に使っていると
生態系が壊れ、春が来ても鳥のさえずりもなく
ミツバチも飛ばない恐ろしさです

米国ではDDTは戦地でマラリアを媒介する蚊を退治するために使われた
戦後、日本の農村、都市で多量に使われ劇的な効果から
奇跡の農薬といわれた
しかし、62年この本が出版され論争が起きるほど社会問題化
当時のケネディ大統領が信ぴょう性の確認を指示し
63年に指摘の正しさが報告された
米国は環境保護局、日本には環境庁(当事)が71年にでき
DDTの販売が中止になった

先進国には農薬の厳しい規制ができたが途上国はまだだ
日本企業が国内では造れない農薬を規制のない国で製造している例もある
地球レベルでみれば抜け穴だらけといえる
最近海外や日本でミツバチの大量死、失踪が指摘されている
諸説あるがネオニコチノイドという殺虫剤が原因という見方が強まっている
登録されて基準をクリアしている殺虫剤だが
気がついたら何もいなくなったということでは遅い

カーソンは子どもが自然の不思議さを感じる大切さを訴える
「センス・オブ・ワンダー」も書いた
今の子どもは物知り博士が多い、都会の中学受験熱なども影響している
子どもは本来好奇心の塊。それをどうはぐくむかは親の責任だ
自然の良さ、悪さを常に肌で感じてこそ「沈黙の春」を防ぐ心は育つ

・・・・・・50年前の警告どおり、世界中でミツバチが消えて
受粉されずに果実が実らないとか、ミツバチの盗難事件まで起きています・・・・

<ボタンは亡くなった兄が大好きだった花です>