1964年一人の女性がニューヨークの自宅アパート前で
暴漢に刺殺された
後に報道されたところだとその様子を実に38人もの
アパートの住人が部屋の窓などから目撃していたのに
襲われてから死亡するまで半時間以上もの間
誰一人救助しようとせず警察に通報さえしなかった

「こんなに目撃者がいるのだから誰かが救助や通報をするだろう」
といった心理が働いたためと考えられている
被害者の名から「キティ・ジェノヴィーズ事件」と呼ばれる
心理学でいう「傍観者効果」の典型例として知られる

緊急事態を前にしたのが自分だけなら対応は自分の責任になるが
大勢いると責任が拡散する
むしろ目撃者が多いほど援助行動が抑制されやすくなることは
心理学の実験でも確かめられているそうだ

心配になるのは地球規模の“緊急事態”への対応である
例えば生物多様性の保護。日本を含む多様性条約の締約国は
8年前「2010年までに多様性の損失速度を顕著に減速させる」との
国際目標を決めたが,条約事務局は最近「目標達成は失敗」と結論した

地球温暖化もしかり、“目撃者”は38人どころか人類全部ともいえる
これほど「傍観者効果」が働きやすい状況もあるまい
地球や生き物の行く末を、あの気の毒な女性の最期のようにしたくない

・・・・・・・電車の中の迷惑行為などを見てみぬ振りする大人の姿を見て
子どもたちはどう感じているのかなと思います・・・・・・・

<芍薬と牡丹の花はすごく似ていますね>