最新号(2010年夏 Vol.59)の目玉 !

今号の目玉は何と言っても、
今年、102歳になったばかりの
菅谷 藍さん(Vol.53)が送ってきてくださった、
『おりおりの随想—その1』だろう。
タイトルは「長寿の秘訣」。

400字詰め原稿用紙5枚。
鉛筆書きの文字に消しゴムを使った跡がなかったから、
推敲を重ねて、清書されたに違いない。

「生きているうちは書きましょう」とのこと。
98歳の橋本武先生が『折々のうた』を連載くださっているから、
今号からの菅谷さんの随想と合わせて、
「おりおり」コンビが誕生したようで嬉しい。

その橋本先生、「ちょっとスペースが空くんですが」とお願いしたら、
1日で、余白を埋める文章を書き上げてくださった。
書くテーマが無尽蔵にあるようだ。

恐るべし、98歳と102歳。
お二人の連載が3年、4年と続くことを祈っている。

今号の「百歳の肖像」は香川はなゑさん。
女手一つで食堂を切り盛りした
生きることにたくましい女性だ。

今、生活している施設では、
集めた毛糸で帽子、マフラー、靴下を編んで、
自分のお葬式の時のお礼に渡して欲しいと保管してある。
その毛糸の帽子が入った包みが百もあると教えてくれた。

「ここはね、みな大事にしてくれるから、拝んでるねん。
海が見えて山もあるでしょ、景色もいいし、一番ええとこ」
と、インタビューを結んでくださった。