杉並区の成宗湯と住宅公団阿佐ヶ谷分譲住宅

阿佐ヶ谷駅から中杉通りを南へ行った成宗湯は、ちょっと古めかしい名前ですが、実際に古い歴史のある成宗村(なるそうむら)の地名を今に伝えているようです。古い建物を想像していって見ると、木造の建物を改装し、設備も新しくなって、スーパー銭湯的です。フロント前のスペースにモデルカーがきれいに並べてディスプレイされているのも珍しい試みです。脱衣場の天井は二段の平天井、脱衣箱が一方に集まっているので、スペースが広く使えます。
浴室内もちょっと銭湯離れしたところがあり、本格的に座る感じの椅子が一列あります。シャワーなども自動、お年寄りなど介護の必要な方への配慮のようです。浴槽では、屋根のついた岩風呂は珍しい。それから浴室内に大きなTVプロジェクターがあるので、洗う手がおろそかになってじっとTVを眺めている人もいらっしゃいます。高い椅子はTVが見やすいという利点もありますが。浴槽は浅く、ぬるめなのもスーパー銭湯風で、TVに熱中してものぼせないようにという配慮かもしれません。
成宗湯 杉並区成田東5−3−19 16:00〜24:30 月曜お休み メトロ丸ノ内線 南阿佐ヶ谷駅 徒歩8分

成宗湯のすぐ東側には日本住宅公団(現在のUR都市再生機構)の初期の分譲住宅、阿佐ヶ谷住宅の大きな敷地があります。前川國男が設計したユニークなテラスハウスが、緑の多い広いスペースに点在する景色は、ちょっと日本離れしたよさがあります。
ただ建築から年数が経て老朽化も進んでいるため、空家が目立ちます。犯罪の恐れなどもあって、住民の方は建て替えを計画されているのですが、周囲の住宅の方と意見が対立しているようです。せっかくの意欲的な住宅地ですから、何とかみんながよかったと思うような再生ができればいいのになと思います。