クリーンセンター多摩川(清掃工場)で事故、ごみ処理は当面停止−稲城、狛江、府中、国立

◆ 他自治体に支援要請
 稲城、狛江、府中、国立の4市で構城する一部事務組合「多摩川衛生組合」(管理者・石川良一稲城市長)は21日、ごみ処理施設「クリーンセンター多摩川」(稲城市大丸)の配管から塩酸が漏れ、施設の稼働を停止したと発表した。完全復旧に2カ月以上かかると見込まれる。処理量が増える夏場に向け、同組合は「多摩地域ごみ処理広域支援体制実施要綱」に基づき他自治体への支援を要請している。
 同組合によると、15日午前6時40分ごろ、施設内の汚水処理室で配管の弁から塩酸が漏れて残量警報器が鳴り、施設の稼働を緊急停止。職員が確認すると、弁を固定するステンレス製ボルト6本のうち4本が折れていた。ボルトが緩んだすき間から塩酸が漏れたとみられる。折れた原因は不明という。同組合は「金属疲労か、パッキンが劣化して少しずつ漏れ、ボルトが腐食した可能性がある」としている。同日午前2時ごろに運転委託業者の社員が目視で確認した際に異常はなかったという。
 問題のボルトは、同施設が稼働した98年以来、交換していなかった。漏れた塩酸で同施設内のモーターやポンプなども損傷したとみられ、損傷の程度を今後確認するが、「ポンプなどは特注品のため、納品に約2カ月かかる」(同組合)という。
同施設への1日当たり平均搬入量は約300トンで多摩地域トップ。ごみ処理施設問題で揺れる小金井市の支援分を含め、4市の可燃ごみなどを処理している。今月末で貯留ピットが満杯になるため、他自治体の施設での引き受け態勢の確立が急がれる。
 (東京新聞(2010年6月22日)から転載)

◆ 稲城、狛江、府中、国立の4市の市民には詳報な説明はなし 
 事故があったのは6月15日早朝。21日になってマスコミに発表した。しかし、市民への詳報な説明はない。他自治体への支援を要請したとはいっても、限界はないのだろうか。当面、市民への説明責任が問われている。たとえば、次のようなことである。
1.事故の詳細を報告すること。
2.事故原因を早急に明らかにすること。
3.他自治体への要請と具体的処理を明らかにすること。
4.ごみ減量など、市民への協力を呼びかけること。