恐怖の夏休み 鎌田 慧より

こんな猛暑続きだとどこかへ逃げ出したくなるが
行き場はない。子どもたちが小さかったころも
どこかへいこうと思い立った時にはどこにも予約ができなかった

日本の企業にも「夏休み」が現れたが、大企業の正社員が中心で
最近はメディアからも忘れ去られてしまった派遣労働者は
苦しむだけだ

派遣労働者ばかりかブラジルや中国、ベトナムからの出稼ぎ労働者や
「研修生」は正社員が夏休みや正月休みでいる時、恐怖の失業状態になる
ボーナスもない。日給や時間給の支払いだから
働かざるもの食うべからずの状態。これではあまりにも不平等だ。

「バカンス」の本場であるフランスではどんな職場で働く労働者でも
5週間の休暇がある。個人商店にいるたった一人の店員でも
個人が雇うベビーシッターでも賃金が保証され
大手を振って5週間も休める

「ディーセント・ワーク」という言葉がようやく注目されるようになった
国際労働機関(ILO)が11年も前から提案している
「働きがいのある人間らしい仕事」だが日本の経営者は無視し続けている

年収1億円を超える社長や会長が増えた
その分だけ彼らの足元に2百万円以下の低賃金に苦しむ大群が発生
「夏休み」期間中は無収入、故郷にも帰れない
大企業で働く非正規労働者である

・・・・・さすが「自由・平等・博愛」のフランスはすごいですね!・・・・

<桔梗の花が涼しげに咲きました>