終戦記念日:戦争と美術教育について考える

櫻ヶ岡中学校の中平です。昨日8月15日は終戦記念日。65年前、日本は戦争中でした。
終戦記念日に思い出す言葉があります。それは、七瀬まるごと美術館主宰・渡邊トシ子さんが、中学生に対して語った「戦争中は表現の自由はなかった」という言葉です。冬のある日、中学生の作品を七瀬通り商店街に展示をし、生徒が集まった初めの会で、渡邊さんが語ってくれました。戦争を経験された方のお話はほとんどが「食べ物がなかった」という話をされることが多いのですが、渡邊さんは「表現の自由」についてしかも、戦争を話題に語られたのです。私は衝撃を感じました。表現の自由がなかった先輩たちの目から見ると、美術教育での自由な表現は、当時の願いの実現なのかもしれません。「一人一人の思いをそのまま表現する」ということの大切さを実感しました。

今、中学校では、美術の授業が行われています。しかし、中学生自体は、「自由はうざい」「自由はめんどくさい」「自分で考えるより誰かに決めてもらいたい」「考えるのめんどくさい」という生徒が(実は違うんだけれど)多いように感じます。教師主導は生徒にとっても、教師にとっても楽です。めんどくさいことがありませんから。でも、ハンドルもブレーキも、全て他人に委ねてしまう日本人を作ってよいのでしょうか。自分で感じ、考え、行動する教育。作品を作ることを通して、それを美術教育は最大の目標にしないといけない、と考えました。