ドイツのパン(6) 焼きソーセージとライ麦パン

4日目の朝、パッサウからレーゲンスブルグ(Regensburg)に移動しました。この街もバイエルン州東部、オーバープファルツの中心都市(人口約12万人)であり、ドナウ川とレーゲン川の合流近くに位置し、水運で栄えた美しい世界遺産の街です。
 街の入口の石橋(Steinerne Brücke)は、1135年から1146年に架けられ、中世橋梁建築の代表とされています。十字軍の騎士たちは、聖地エルサレムに向けた行軍の際に、ドナウ川に架かるこの橋を渡って進軍したということです。旧市街にあるレーゲンスブルク大聖堂(Dom)は、ドイツゴシック建築で、着工は1275年に着工し、尖塔の完成は1869年とされています。もう一つの聖ウルリヒ教区教会は、13世紀の過渡期的な建築様式の建物で、現在は、宗教芸術などを扱った聖ウルリヒ司教区博物館が入っています。また、市庁舎には、14世紀の部分が現存していますが、かつて1663年から1806年までは神聖ローマ帝国の帝国議会が置かれていたとのことです。

街の中には、世界最古といわれるものが溢れていますが、その中の一つが、世界最古のソーセージ屋さん(ヒストリッシュ・ブルストキュッ)です。何百年も前から石橋の脇で営業しているそうです。それまでは、ヨーロッパ最古をうたっていたものの、元祖を主張する他都市のライバル業者が出現し、公的機関も巻き込んで調査したところ、この店の最古を裏付ける文献が出現し、しかも世界最古であることもわかったということでした。ドイツには、いろいろなソーセージ料理がありますが、ここのソーセージは、焼きソーセージで、とても香ばしく味わい深いものがあります。ザウアークラウトの上にのっていましたが、添えられたパンがライ麦の硬いパンです。パンの横腹を切り開いて酸味のきいたザワークラウトとソーセージをはさんで食べている人もいました。